ランドクルーザーとランドクルーザー・プラドは別物

国産登録車の中で唯一のクロスカントリー4WDモデルとして作られているトヨタのランドクルーザー、アフリカやロシア、アジア、オーストラリアなどいまだ未舗装路が多く存在する国や地域で大活躍している、日本が誇る自動車ですが、それと同じ名称が付けられたモデルが同じトヨタにもう1台存在します。
それがランドクルーザー・プラドです。
同じトヨタから同じ「ランドクルーザー」という名称が含まれたモデルが2台も発売されているので仕方がないのかもしれませんが、この2台のモデルはコンセプトから構造に至るまで全く違うのにもかかわらず、同じような車としての扱いを受けているようです。
はっきり言いましょう・・・それは大きな間違いです。
では、ランドクルーザーとランドクルーザー・プラドはどう違うのか、それからどうして同じ車として勘違いされてしまうのかを検証していきたいと思います。
- ランドクルーザーとランドクルーザー・プラドは別物
- ランドクルーザーとランドクルーザー・プラドはこうして作られた
- ランドクルーザーの生い立ち
- ランドクルーザー・プラドの生い立ち
- ランドクルーザーとランドクルーザー・プラドの違いは生い立ちだけではない
- ランドクルーザーとランドクルーザー・プラドの違い・・・カテゴリーが違う
- ランドクルーザーとランドクルーザー・プラドの違い・・・性能が違う
- ランドクルーザーとランドクルーザー・プラドが同一視されてしまう理由
- 勘違いの原因・・・その1 トヨタの販売戦略
- 勘違いの原因・・・その2 メディアの影響
- 勘違いの原因・・・その3 嘘が多い情報サイトの記事
- 勘違いの原因・・・その4 消費者の知識不足
- まとめ〜ランドクルーザーとランドクルーザー・プラドの同一視は売り手が問題
ランドクルーザーとランドクルーザー・プラドはこうして作られた
両車両の違いを理解するには、まずにこの2台の車がどうしてこの世に存在するのかという「生い立ち」を知っておく必要があります。
ランドクルーザーの生い立ち

ランドクルーザーは、第二次世界大戦(太平洋戦争)が終戦を迎えたのち、すぐに勃発した朝鮮戦争のころに生まれました。
当時、日本に駐留していたアメリカ軍が、朝鮮戦争に出兵するために朝鮮半島へと移動することになり、それに代わる治安部隊の必要性が出てきました。
そこで組織されたのが軍事力をほとんど持たない日本国内の秩序を維持するための集団、現在の陸上自衛隊の前身となる警察予備隊です。
日本国民の力だけで治安維持活動をするにしても機材や車両が必要です。
そこで国は警察予備隊で使用する車両を準備するために各自動車メーカーに多目的車両のトライアルをすることを通知したのです。
そのトライアルに名乗りを上げたのが、日産、三菱、そしてトヨタでした。
日産はのちのサファリ、パトロールとなる4W60型を、三菱はアメリカのウィリスジープのライセンス生産モデルとなる三菱ジープを、そしてトヨタはジープBJ型というモデルを作り、トライアルに持ち込みました。

左から日産・4W60型 三菱・ジープ トヨタ・ジープBJ
当時はまだ「ジープ」という言葉が固有名詞として捉えられておらず、現在の「4WD車」とか「オフロード車」などと同じようにオフロード走行ができる車の一般名称として扱われていたため、トヨタで作った車でありながら「ジープ」を名乗っていました。
4W60型、三菱ジープ、ジープBJ型の3モデル、結局この中から警察予備隊の多目的車両として採用されたのは、三菱ジープでした。
これは無理もないのでしょう、なぜならアメリカ軍の大隊が日本にいた時に使っていた車がウィリスジープだったですから、それをそっくりそのままライセンス生産をした三菱ジープが採用されるのもごく自然のことだったからです。

ランドクルーザー初代モデル
一方、破れたトヨタのジープBJですが、トライアルに負けたからといってそのままお蔵入りにしてしまうのはもったいないということで、トライアルから約2年後の1953年にジープBJを民生用に転用したモデルを発売させました・・・実はそれが現在のランドクルーザーの初代モデルとなります。
民生用モデルにおいてもトライアルの時と同じように「ジープBJ」という名称を車名として使っていたのですが、翌年に「ジープ」という名称がウィリス社の商標であったことから改名を迫られ、そこで付けられたのが「ランドクルーザー」という名称だったのです。
ジープBJはそもそもオフロード走行を含めたいろいろな路面を走ることを求めて作られたいわゆる軍事車両ですので、オンロード(といっても当時は舗装路の方が少なかった)もそうですが、オフロードを走ることも得意でした。
そこからランドクルーザーを「オフロードを走るための車」として、現在でいうところの「クロスカントリー4WD」モデルとして扱うようになったのでした。
その時から2019年現在で約66年がたち、その間に7回ものモデルチェンジを行い、現在で8代目モデルとなる200系が発売されています。

左から80系 100系 200系
1989年に発売された80系あたりからハードなイメージのあるクロスカントリー4WDから徐々に軟弱化していき、「SUV」など呼ばれるぐらいまで乗用車化が進んでしまいましたが、それでもオフロードを走るための車、クロスカントリー4WDモデルとして現在もオフロードマニアやオフロード走行を伴う生活環境に置かれている方に大人気となっています。
ランドクルーザー・プラドの生い立ち
ランドクルーザー・プラドは、名称に「ランドクルーザー」という文言が入っていますが、ランドクルーザーとは系統もカテゴリーも車体の構造も全く異なる車です。
ランドクルーザー・プラドが初めて発売されたのは1984年のこと、当時トヨタでは、クロスカントリー4WDモデルとしてランドクルーザーの70系を発売していました。

ランドクルーザー70系
70系はオフロード走行性能が非常に優れており、この当時から道路環境が整っていない僻地や発展途上国などで大人気になっていましたが、逆に未舗装路を探すほうのが難しいぐらい道路環境が整っていた日本国内ではランドクルーザーのようなバリバリのオフロードモデル、クロスカントリー4WDモデルはあまり必要とされず、売れ行きとしても売れないわけではないが大人気モデルでもないといった位置に置かれているモデルとなっていました。
こういった傾向は何もトヨタのランドクルーザーだけでなく、日産のサファリも同じような状態でしたが、この時代にたった1台だけ大ヒットとなっていたオフロード志向のモデルがありました・・・それが三菱のパジェロでした。

三菱パジェロ初代モデル
パジェロはランドクルーザーの70系が発売されるずっと以前、まだ60系が現役モデルとして販売されていた1982年に発売された今でいうところのSUV(当時は”SUV”という言葉も概念もなかった)です。
SUVといってもクロスカントリー4WDモデルにかなり近い車で、構造も実際のオフロード走行性能もランドクルーザー60系や70系に匹敵するほどのものを持っていました。
このモデルは三菱のピックアップトラック、フォルテのパートタイム4WDモデルをベースにして作られた車で、強靭なラダーフレームを持つまさにSUVの典型的な流れをくむモデルでした。
ただ、当初こそ完全なオフロードマシンとしての作りが与えられていましたが、1983年に初の乗用モデルを発売したのをきっかけにハードなオフロードマシンだけでなく、次第に高級ワゴンモデルとしての性格も与えるようになっていったのでした。
実はそれがランドクルーザーを超える人気を得ることができるようになった最大の要因だったのです。
ちょうどその頃は、後のバブル景気に繋がるかのような好景気が続いていた時代で、それまで仕事と生活だけに追われていた日本の国民が遊びに時間とお金を費やすようになっていました。
その中で遊びのための1つの道具としてランドクルーザーやパジェロのようないろいろな意味で汎用性の高い車がもてはやされるようになり、オンロードしか走らない人でも好んでそういった車を買うようになったのですが、そういった車は得てして無機質で実用面だけを重視した構造や装備が与えられていることが多く、それが乗用車としては不適切であるとされていたのです。
そういった中で三菱は、きっとマーケティングが優れていたのでしょう・・・パジェロの5ナンバーモデルにランドクルーザーにはない乗用車としての要素・・・
- コンフォート(快適さ)
- ラグジュアリー(贅沢・高級感)
を与えたのです。
そしてそれが大ヒットに繋がったわけです。
一方・・・いわゆる「オフロードマシン」部門の人気を三菱にかっさらわれたトヨタですが、トヨタも黙ってはいません、パジェロのワゴンモデルに対抗すべく、コンフォート性・ラグジュアリー性を持たせたオフロードマシンを作ることにしました。
しかしその当時、トヨタから発売されていたのはバリバリのクロスカントリー4WDモデルである70系です。
エンジンはディーゼルエンジンが主流でしたし、サスペンションもオフロードでのトラクション性能には抜群の威力を発揮することができますが、オンロードでは乗り心地の悪化、コーナーリング性能の低下を引き起こすリーフリジットが前後のサスペンションとして与えられていたハードなモデルです。
このモデルをベースとして、見た目のみならず走りの質も乗用車らしいものとするのはさすがにかなり無理があるということで、ベースモデルをランドクルーザーの70系以外から求めることにしました。
そこで採用になったのが発売されたばかりのSUV、ハイラックスサーフでした。

ハイラックスサーフ
ハイラックスサーフはピックアップトラックのハイラックスの4WDモデルを流用して作られた正真正銘のSUVで、SUVであることからランドクルーザー70系と同じラダーフレームを持ち、パートタイム4WDを搭載するモデルであるためベースモデルにはもってこいの車だったわけです。
このモデルのシャシーを流用して、パジェロに対抗できるようにと・・・
- エンジンは2.4リッターのガソリンエンジンとディーゼルエンジンの2本立て
- トランスミッションは5速マニュアルトランスミッション
- 前後サスペンションはリジットサスペンションでありながらコイルスプリング仕様
- ランドクルーザー70系に似せながらも少々ソフトなイメージにしたボディ
- インテリアは乗用車並みの高級感のあるものを採用
といった形でランドクルーザーの乗用モデル、SUVを作り上げたのでした。
このモデルは当初は従来のランドクルーザー70系を「ハード系」モデルとするのに対して「ライト系」モデルといった形で区別して販売されていましたが、後に更に差別化を図るためにサブネームとして「プラド」という名前が与えられました。
ただ、この時点ではまだランドクルーザー70系の中の「プラド」モデルといった形で同じランドクルーザー70系の域を出ないモデルとされていました。
ランドクルーザー・プラドがランドクルーザーから独立したのは、ランドクルーザー70系から分離したワゴンモデルの80系が発売されたすぐ後の1990年で、この時からランドクルーザーとランドクルーザー・プラドといった2つの独立したモデルを並行して売るようになったのです。
ランドクルーザー・プラドは2019年現在、2009年に発売された150系モデルが現行モデルとなっています。

左上70系 右上90系 左下120系 右下150系
ランドクルーザーとランドクルーザー・プラドの違いは生い立ちだけではない
ランドクルーザーとランドクルーザー・プラド、それぞれのモデルが発売されるに至るまでの経緯の違いがお分かりいただけたかと思います。
両車とも長い歴史といろいろな「いわれ」があるため、説明する文章が長くなってしまいましたが、一言で言えばこういうことです。
- ランドクルーザーは・・・軍用車両を民生用に転用させたモデル
- ランドクルーザー・プラドは・・・パジェロ対策のためにハイラックスサーフを転用したモデル
これだけを見ても同じ「ランドクルーザー」を名乗る車同士でも大きく異なることがわかりますが、実際にはもっといろいろなところに違いがあります。
ランドクルーザーとランドクルーザー・プラドの違い・・・カテゴリーが違う
クロスオーバーSUVが大人気になったことで、SUVという言葉を乱用することが多くなり、本当の意味での「クロスオーバーSUV」「SUV」「クロスカントリー4WD」の違いがわかりにくくなっている現在、それと同調するかのようにランドクルーザーとランドクルーザー・プラドの区別もあいまいにとらえる方が多くなっているような気がします。
「クロスオーバーSUV」「SUV」「クロスカントリー4WD」の違いは「SUVとクロスカントリー4WDとクロスオーバーSUV」のページを見ていただくとして、ここではランドクルーザーやランドクルーザー・プラドが「クロスオーバーSUV」「SUV」「クロスカントリー4WD」のどれに該当するのかということをご説明していきます。
まずランドクルーザーですが、このモデルは不整地を含めた戦地を走ることを想定した多目的軍用車両として作られた車で、現在でもその考えを受け継い形で車作りがなされています。
なので、現行モデルにおいても最初からオフロードを走るための構造や装備が与えられていることは確かで、それがラダーフレームであったり、リジットサスペンション(現在はフロントのみ独立懸架)であったり、パートタイム4WD(現在はトランスファー付きフルタイム4WD)であったりというわけです。
それらのものが構造の一部として使われていて、そして作られた目的が悪路走行であるということから分かるのが・・・
ということです。
対してランドクルーザー・プラドは、見た目はともかくピックアップトラックの派生モデルとして作られたSUVのハイラックスサーフを更に転用したモデルですので、特に難しく考える必要はなく・・・
ということになります。
ランドクルーザーとランドクルーザー・プラドの違い・・・性能が違う
両モデルで決定的に違うのがオフロード走行性能です。
これはランドクルーザーが「クロスカントリー4WD」であること、ランドクルーザー・プラドが「SUV」であることから容易にわかることでしょう。
両車は見た目や部分的な構造がよく似ていますが、クロスカントリー4WDはオフロードを走るための車、オフロード走行性能を最優先して作られた車ですので、悪路を走破するためにそこそこパワーのあるエンジンが必要ですし、それにみあったドライブトレーン、4WDシステム、サスペンションが必要となります。
一方、SUVはオフロードを走ることが目的ではなく、アウトドアスポーツをするための現地への足として作られている車ですので、時には砂浜とか泥道、砂利道、雪道などの悪路を走ることもあるでしょうが、舗装路の上も快適に走れなければいけない車ですから、クロスカントリー4WDと似たような構造を持っていてもセッティングや求める性能が異なってくるわけです。
ランドクルーザーとランドクルーザー・プラドとの関係で見ますと、エンジンはランドクルーザーの方が圧倒的にパワフルですし、フレームも同じラダーフレームでもランドクルーザーは専用設計のかなり丈夫なものが使われていますが、ランドクルーザー・プラドは北米向けハイラックスサーフのものを流用しているため、若干ですが強度と剛性が劣ります。
サスペンションも構造自体はほぼ同じですが、ランドクルーザー・プラドではオンロードでの乗り心地も重視しなければならないため、コイルスプリングのスプリングレートやエアサスのエアバッグ圧力、ショップアブソーバーの減衰力が軟らかめになっています。
このように同じように見える2台ですが、パッと見ただけでもこれだけに違いがあり、そして個々の違いはそれほど大きくありませんが、それらが車体に付けられてまとまった形となると明確な大きな違いが発生することになるのです。
そういう機会もあまりないかもしれませんが、ランドクルーザーとランドクルーザー・プラドを乗り比べてみると(特にオフロード走行をしてみると)それが明確にわかります。
ランドクルーザーとランドクルーザー・プラドが同一視されてしまう理由
ここまでいろいろは方向からランドクルーザーとランドクルーザー・プラドが全く違う車であることを説明してきました。
さすがにここまでご説明すればご理解いただけると思いますが、この段階でもまだ
などと思っている方がいたとしたら、きっとその方は過去に覚えた間違った知識が既成概念化してしまっているか、トヨタやいろいろなメディアによる販売戦略によって洗脳されてしまっているのでしょう。
ただ、だからといってそう思っている方がすべて悪いとは言い切れません、なぜなら自動車業界内がそういったように思わせる傾向があるからです。
勘違いの原因・・・その1 トヨタの販売戦略
トヨタのWebサイトにある「ラインナップ」のページに以下のような表記があります。

みんなSUVっておかしくないですか?
「SUV」の欄に「なんちゃってクロスオーバーSUV」のC-HRやハリアーがカテゴライズされていること自体もかなりおかしいことですが、ランドクルーザーもなんと「SUV」の扱いをしてしまっているのです。
2019年現在でトヨタが日本国内向けとして発売しているモデル中で、正式に「SUV」にカテゴライズされているのは、ランドクルーザー・プラドとLXだけで、それ以外のモデルは違うカテゴリーのモデルとして分類されなければいけません。
ランドクルーザーも正しくは「クロスカントリー4WD」とされなければならず、決してSUVの仲間に入れてはいけないのです。
ましてやプリウスの「なんちゃってクロスオーバーSUV」のC-HRやピックアップトラックのハイラックスと同じカテゴリーにするとはとんでもないことです。
これはトヨタの巧みな販売戦略によるもので、昨今のSUVブーム(正式にはクロスオーバーSUVブーム)に乗っかるためにランドクルーザーも「クロスカントリー4WD」ではなく、「SUV」というホットなキーワードを使うことで販売台数を増やそうとしているのです。
この段階でもかなり騙されてしまっている方、勘違いしてそれを信じ切ってしまっている方がいることでしょう。
更にイメージ戦略においてもトヨタはいろいろとやってくれます。
そもそも全く別の車であるのにもかかわらず、ランドクルーザー・プラドというランドクルーザーをイメージさせるような車名をつけるのもかなりのやり手です。
下記の画像を見てください。

ランドクルーザー・プラドのページにランドクルーザーの話題が・・・
この画像はトヨタのランドクルーザー・プラドを紹介するWebページのトップページのものなのですが、トップ画像の下にさりげなく「LAND CRUISERのすべてがここにある」というバナーが表示されています。
なのにどうしてランドクルーザー・プラドのページ、それもトップページにランドクルーザーをかたったバナーがあるのでしょうか?
う〜ん・・・これはかなり悪意を感じます!
これもトヨタの巧みな販売戦略のひとつであるイメージ戦略で、ランドクルーザーとは違う車でもランドクルーザー・プラドという紛らわしい車名をつけたことをうまく利用してランドクルーザー・プラドもバリバリのオフロードモデルであるというイメージを消費者に抱かせて、それによってランドクルーザー・プラドの販売台数を伸ばそうとしているのです。
これでは車にあまり詳しくない方や一般の消費者が勘違いしてもおかしくありませんね。
だって自動車メーカー自らが儲けのために間違った情報を流しているのですから・・・。
勘違いの原因・・・その2 メディアの影響
自動車業界といっても何もその業界を構成しているのは自動車メーカーだけではありません。
自動車を売る販売店、消費者から車を買い取る買取店、中古車を販売する中古車販売店、自動車パーツを作る工場、それを売るカー用品店、そしてそれらの宣伝広告をするメディアなども含まれます。
その中で一番間違った概念や知識をバラまく可能性が高いのがメディアです。
ここでいうメディアというのは自動車や部品、用品などを作ったり販売したりする企業から依頼を受けて有償で何かしらの宣伝広告をいろいろな形で行う業者のことを指しますが、こういった業者はいわゆる早い話、依頼主の「言いなり」になります。
なぜなら有償だから、依頼主からお金がもらえるからです。
こういう関係は、お金を支払う側となる依頼主の方が圧倒的に立場が上で強くなるもの、例えば自動車メーカー側が「こういったイメージを消費者に与えたい」という依頼をしたとしたらメディア側はそれが嘘の情報だとしてもうまくオブラートに包みながら宣伝広告の一部として使うしかありません・・・なぜならお金がもらえるからです。
金銭的なメリットをメディアが追いかけているうちに間違った情報が世間にバラまかれ、それがいつしか当たり前のことのように、正しいことのようになってしまった・・・その1つが自動車メーカーであるトヨタが暗黙的に狙う・・・
という販売戦略で、それを依頼されたメディアがあたかも両車は同じような車であるという情報を流すことで、間違った情報が世間に広まってしまい、それを鵜呑みにした消費者もそういった世迷言を言うようになるわけです。

ランドクルーザー専門店でもランドクルーザーとランドクルーザー・プラドを同一視する傾向がある
勘違いの原因・・・その3 嘘が多い情報サイトの記事
パソコンやタブレット端末、スマートフォンといったいわゆる情報端末が普及し、ちょっとでもわからないことがあればすかさずWeb検索をしてすぐに回答を得ることができるような世の中になりましたが、果たしてその回答、情報は本当に正しいでしょうか?
無料で誰もが利用できるインターネット上の百科事典としてして有名なウィキペディア、皆さんもこのWebサイトを利用していろいろなことを調べることがあるかと思いますが、このウィキペディアというWebサイトは何もその道のプロが持てる知識を用いて作っているのではなく、一般の人間がにわかに知った知識を持ち寄って、それをまとめて掲載しているだけに過ぎないものなのです。
なので中にはかなり間違った情報や意図的に情報の改ざんをしているものも公然と掲載されています。
ウィキペディアを利用した人はそれがあたかも正しい情報として捉える傾向が強いことから、そこから間違いが広まってしまうことがあり、特に自動車関連の記事に間違いがかなり多くあることがわかっています。
例えば、SUVとクロスオーバーSUVについてです。
SUVとクロスオーバーSUVの違いについては「本当の「SUV」ってどんな車?」「クロスオーバーSUVが生まれた理由」「SUVとクロスカントリー4WDとクロスオーバーSUV」のページを見ていただくとしてここではざっと
- ラダーフレームを持つものがSUV
- モノコックフレームを持つものをクロスオーバーSUV
とだけ言っておきます。
これを照らし合わせてウィキペディアの記事を見てみると、モノコックフレームを持つクロスオーバーSUVの多くが「SUV」と表記されていることに気が付きます。
見てください、C-HRもSUV、UXもSUV、BMWのX3もSUV、ホンダのCR-VもSUV扱いされています。

クロスオーバーSUVのC-HRがSUVと記載されている

クロスオーバーSUVのUXがSUVと記載されている

クロスオーバーSUVのX3がSUVと記載されている

クロスオーバーSUVのCR-VがSUVと記載されている
頭の中にはこれしか浮かびません。
なぜかって、どの車もラダーフレームではなく、既存モデルのモノコックフレームを使って作られたというクロスオーバーSUVと断定するに十分な物理的で決定的な証拠があるのに、そして更にそれを絶対に覆すことができないのに、「SUV」と表記しているからです。
ウィキペディアの情報が正しいというのであれば、「SUV」ではなく「クロスオーバーSUV」と表記するべきで、それを間違っているという指摘されたら素直に修正するべきだと思います。
しかし今のウィキペディアはそのような正義感はありません、編集機能を使って間違いを正そうとする「Y-dash」と名乗る方のような訳の分からない管理者とかチェックをする権利をもらった一般人にすぐさまに元に戻されてしまい、挙句の果てに編集機能が使えないようにブロックされてしまう始末です。
これでは到底正しい情報は期待できません。
そんなことですからランドクルーザーとランドクルーザー・プラドに関するページも信頼できません。
ランドクルーザーとランドクルーザー・プラドの場合は・・・
「クロスオーバーSUV」と「SUV」
の関係性ではなく・・・
「クロスカントリー4WD」と「SUV」
の関係性ですが、「クロスオーバーSUV」と「SUV」のように容易に判断できることが間違えて掲載されているぐらいですから、知識のある方でないとわかりにくいこの関係性を間違えていてもおかしくないということを言いたいのです。
現に「クロスカントリー4WD」のランドクルーザーも「SUV」として表記されています。

SUVとされてしまっているかわいそうなランドクルーザー
このWebサイトを見て、記述内容を鵜呑みにしてしまえば、ランドクルーザーもランドクルーザー・プラドもどちらもSUVで、その違いがわからず、同一視してしまう方が現れてもおかしくありません。
勘違いの原因・・・その4 消費者の知識不足
これは勘違いを引き起こすうえでかなりのウェイトを占めます。
そもそも・・・
- クロスカントリー4WDってどういう車?
- SUVってどういう車?
- トヨタってどういう車の売り方をしているの?
といったことがわかっていない方がほとんどですので簡単に騙されてしまうわけです。
まとめ〜ランドクルーザーとランドクルーザー・プラドの同一視は売り手が問題
ここまでくればきっとあなたもランドクルーザーがどういう車か、ランドクルーザー・プラドがどんな車か、そして全く違うもの同士であることがお分かりいただけたのではないでしょうか?
ここで言いたいのは、なにもランドクルーザーという車が、またはランドクルーザー・プラドという車がダメな車であるということではなく、それをたくさん売りたいがために間違った情報を意図的に流して、消費者に無駄な混乱を引き起こさせてしまっているということを言いたいのです。
そういったことに騙されて車を買ったとしても後で泣きを見るのは車を買った消費者側、自動車メーカーや販売店ではありません。
だからここまでしつこく言うのです、正しい情報や正しい概念・常識をもって車に接しましょうと・・・。
ランドクルーザーとランドクルーザー・プラド、迷ったらリースがおすすめ
世の中でこれだけいい加減な扱いをされているランドクルーザーとランドクルーザー・プラド、例えば自分の車を購入しようとした時にこの2台が候補に挙がったとしても「どちらがいいのか」、「どっちが自分のライフスタイルにあっているのか」といった具合に悩んでしまうのではないでしょうか。
一番いいのはある程度の距離を実際に運転してみて乗り比べることですが、そうそうそういった機会を作ることも難しいと思います。
だからといっていい加減に決めてしまうほど、安い買い物ではありません。
それならリースを利用するというのはいかがでしょうか。
マイカー賃貸カルモ
なら最短で1年間という短期間のリース契約もできるのでお試しで乗ってみるのに最適です。
もちろんランドクルーザーもランドクルーザー・プラドも用意されているので、ここで気になる方をリースで手に入れてその後どうするか決めるというのも一つの手だと思います。
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